星野リゾート雲仙の事故の真相|工事現場の転落と土砂災害の違い

※本サイトのコンテンツには、商品プロモーションが含まれています。

星野リゾート雲仙の事故を調べていると、出てくる話がどうも噛み合わない、と感じていませんか。実際に起きたのは、2022年3月29日に界 雲仙の建設現場で作業員が約5メートル転落した労働災害です。営業中の宿泊施設の中で起きた事故ではありません。

検索結果が混ざって見えるのは、前年の2021年8月13日に同じ雲仙温泉で3人が亡くなる土砂災害が起きているからです。しかも、このときの土砂は建設現場にも流れ込んでいます。ここでは2つの出来事を切り分けながら、公表された事実と裏づけのない話の境目まで整理していきます。

記事のポイント

①:事故は2022年3月の工事現場の転落

②:施工は淺沼組で星野リゾートは発注側

③:2021年の土砂災害は別の出来事

④:開業後の施設内の事故は確認できない

星野リゾート雲仙の事故の概要と背景

  • 事故が起きた場所と施設名の関係
  • 事故の発生時期と当日の状況
  • 転落事故の原因で公表された範囲
  • 施工は淺沼組・運営は星野リゾート
  • 2021年の大雨と工事現場への土砂流入

ここでは、事故の現場がどこで、いつ、どんな作業中に起きたのかを順に押さえていきます。

施工を担当した会社と、前年の土砂災害との関係まで分けて見ていくと、検索結果で混ざりがちな情報の輪郭がはっきりしてきますよ。

事故が起きた場所と施設名の関係

事故が起きたのは、長崎県雲仙市小浜町雲仙にあった旅館「雲仙富貴屋」の建て替え工事現場です。

雲仙富貴屋は1915年の創業で、客室70室を構えた雲仙温泉街の老舗旅館でした。

建物の老朽化と耐震化への対応が重くのしかかり、103年の歴史に幕を下ろして2018年5月6日に閉館しています。

その跡地を星野リゾートが取得し、2020年8月に新しい温泉旅館の工事が始まりました。

場所は雲仙地獄のひとつである八万地獄のすぐそばで、湯けむりが立ちのぼる観光の中心部にあたります。

同じ温泉街には雲仙観光ホテルや雲仙福田屋といった宿が並び、富貴屋もその一角を長く担ってきた存在でした。

ここで押さえておきたいのが、事故の舞台はあくまで工事中の建設現場であり、営業していた宿泊施設ではなかったという点です。

当時は閉館した旅館の跡地が工事区域として閉ざされていたため、観光客や宿泊客が巻き込まれる状況ではありませんでした。

それでも星野リゾート雲仙の事故という形で記憶されているのは、完成後の施設名のほうが広く知られているからなんですよね。

事故の発生時期と当日の状況

事故が起きたのは、2022年3月29日の午後1時30分ごろでした。

この時間、現場では建物まわりの足場を撤去する作業が進められていました。

作業にあたっていた30代の男性が、およそ5メートル下の地面へ転落し、意識不明の重体で病院に搬送されています。

消防には足場から男性が落ちて意識がないという通報が入り、警察と消防が現場に駆けつけました。

正直にお伝えしておくと、その後の容体について公表された続報は確認できませんでした。

下記の表は、閉館から開業までの流れに事故の発生時期を重ねたものです。

年月日 出来事
2018年5月6日 雲仙富貴屋が103年の歴史に幕を下ろして閉館
2020年8月 跡地で界 雲仙の建設工事に着工
2021年8月13日 大雨による斜面崩壊が発生し建設現場にも土砂が流入
2022年3月29日 足場の撤去作業中に作業員が約5メートル転落
2022年11月25日 界 雲仙が予定どおり開業

こうして並べてみると、工期の途中に自然災害と労働災害が重なっていたことがよくわかります。

それでも開業日そのものは、当初の発表どおりに守られました。

転落事故の原因で公表された範囲

結論から言うと、この事故の原因として公表された調査結果は確認できません。

報じられているのは、作業内容が足場の撤去だったこと、転落の高さが約5メートルだったこと、被災したのが30代の男性だったことまでです。

長崎労働局の報道発表をさかのぼっても、この現場に関する送検や処分の公表は見当たりませんでした。

命綱の有無や足場の強度不足を挙げる説明も見かけますが、こうした話に公的な裏づけはありません。

下記の表は、確認できる内容と確認できなかった内容を分けたものです。

項目 確認できる内容
発生日時 2022年3月29日 午後1時30分ごろ
作業内容 足場の撤去作業
転落の高さ 約5メートル
被災者 30代の男性・意識不明の重体で搬送
事故原因 公表された調査結果は確認できない
行政処分 労働局の発表に該当する公表は確認できない

背景として知っておくと見通しがよくなるのが、足場まわりの作業がもともと労働災害の多い領域だという点です。

厚生労働省の統計では、2024年の建設業の死亡者232人のうち77人が墜落・転落によるもので、全体のおよそ3割を占めています。

つまりこの事故は特異な出来事というより、業界が長く向き合ってきた類型の災害だったということですね。

ただ、それをもって個別の原因を言い当てることまではできません。

施工は淺沼組・運営は星野リゾート

この事故をめぐって最も誤解されやすいのが、会社ごとの役割です。

工事を請け負っていたのは、東証プライムに上場する建設会社の淺沼組でした。

星野リゾートは完成後の施設を運営する立場で、建物そのものの施工は専門の建設会社に委ねるかたちを取っています。

現場の作業手順や日々の安全管理をまわしていたのは、発注側ではなく施工を担った淺沼組ということになります。

下記の表は、関係した会社の役割を整理したものです。

立場 会社・施設名 担っていた役割
運営・ブランド 星野リゾート コンセプト設計と開業後の宿の運営
施工 淺沼組 建設工事の施工と現場の工程・安全管理
前身の施設 雲仙富貴屋 2018年に閉館した跡地の提供元

それでも検索の世界では、知名度の高い運営ブランドの名前のほうが前に出てしまいます。

星野リゾート雲仙の事故という言い回しが定着したのも、施設名のほうが一般に浸透していたからでしょう。

とはいえ、発注側にまったく関わりがないと言い切れるわけでもありません。

工事の発注者にも、工期の設定や安全対策の前提づくりという形で関わる余地は残ります。

役割を分けて見ておくと、どの会社に何を尋ねるべきかが見えやすくなりますよ。

2021年の大雨と工事現場への土砂流入

2021年8月13日の未明、雲仙温泉街を記録的な大雨が襲いました。

午前4時ごろ、小地獄と八万地獄の2か所で斜面が崩れ、幅およそ50メートルにわたって土砂が流れ下っています。

住宅2棟が押し流され、同じ家族の3人が亡くなるという深刻な被害が出ました。

この大雨では長崎県内で5人が犠牲となり、そのうち3人が雲仙市の方々でした。

ここが曖昧にされがちな部分なのですが、崩れた裏山の土砂は八万地獄を覆い、界 雲仙の建設現場にも流れ込んでいます。

災害と工事は、まったく無関係な出来事ではなかったわけですね。

ただし、この土砂流入が翌年3月の転落事故を引き起こしたとする見解は、どこにも示されていません。

2つを直結させる説明は、推測の域を出ないと考えるのが妥当です。

星野リゾート代表の星野佳路氏は、開業発表の場で「災害は本当に大変だったが、復興に向けて地元と議論する機会を頂いている」と語っています。

下記の表は、災害から現在までの復旧の流れをまとめたものです。

時期 状況
2021年8月13日 小地獄と八万地獄で斜面崩壊、住宅2棟が流され3人が死亡
2022年11月 長崎県が約3千平方メートルの区域で防災工事に着手
2024年8月 八万地獄周辺の遊歩道は立ち入り禁止が継続
2026年度 地盤が軟弱で難航し、工事完了は当初より約2年遅れの見込み

地獄地帯は地熱と硫黄で地盤がもろく、仮設道路づくりの段階から難しさを抱えていました。

環境省は、遊歩道の整備や土のうの撤去は県の工事が終わってからだと説明しています。

温泉神社では鳥居やこま犬、灯籠が流され、復旧のためのクラウドファンディングでおよそ500万円が集まりました。

一方で雲仙市の観光客数は、2021年の159万人から2022年には197万人まで戻っています。

災害の爪痕はまだ残っていますが、温泉地としての足取りは着実に戻ってきているというのが実情です。

星野リゾート雲仙の事故後の施設と対応

  • 事故後に開業した界 雲仙の施設情報
  • 口コミで見る開業後の評判の変化
  • 現在の宿泊料金の目安と最安の水準
  • 長崎空港と諫早駅からの送迎の実際
  • 開業後の安全対策と確認できた範囲

ここからは、事故のあった現場がその後どうなったのかを見ていきます。

開業した宿の中身や評判、料金やアクセス、そして安全面について確認できたことを順に並べていきますね。

事故後に開業した界 雲仙の施設情報

工事中の事故を経て、界 雲仙は2022年11月25日に予定どおり開業しました。

星野リゾートにとっては、長崎県内で初めての施設になります。

6階建てで総客室数は51室という規模です。

温泉は雲仙地獄から引く独特の濁りをもった強い酸性の湯で、土地の個性がはっきり出るタイプですね。

館内には長崎らしい和華蘭文化をテーマにした設えが並び、大浴場を彩るステンドグラスが象徴的な意匠になっています。

下記の表は、施設の基本情報をまとめたものです。

項目 内容
施設名 界 雲仙
開業日 2022年11月25日
所在地 長崎県雲仙市小浜町雲仙321
客室数 51室・6階建て
泉質 濁りのある強い酸性の温泉
チェックイン・チェックアウト 14時30分から18時・11時

食事は、あご(トビウオ)の出汁でいただくしゃぶしゃぶが看板になっています。

締めには五島のうどんが登場し、長崎の伝統である卓袱料理から着想を得た会席として組み立てられています。

館内アクティビティのご当地楽では、長崎で花開いた活版印刷を自分の手で体験できます。

夕食をさらに引き上げる特別会席の内容や追加料金の考え方は、特別会席のアップグレード料金と予約の流れでまとめています。

口コミで見る開業後の評判の変化

開業後の評価は、数字で見るとかなり安定しています。

じゃらんnetに寄せられた391件のクチコミで、総合評価は5点満点中4.4点という水準です。

下記の表は、項目ごとの評価点を並べたものです。

評価項目 点数(5点満点)
清潔感 4.6
接客・サービス 4.5
料理(夕食) 4.4
部屋 4.4
料理(朝食) 4.3
風呂 4.1

清潔感と接客が高く出ている一方で、風呂の評価だけがやや控えめに並んでいます。

実際のクチコミには、風の強い日に露天風呂のブラインドが鳴っていたことや、館内用の草履が滑りやすかったことなど細かな指摘も見られます。

逆に高く評価されているのは、ステンドグラス越しの湯浴みや、誕生日のお祝いに合わせた案内の丁寧さといった部分です。

工事中の事故や災害に触れたクチコミは、公開されている投稿のなかでは見当たりませんでした。

前身の雲仙富貴屋が老朽化と耐震化を理由に閉館したことを思えば、建物そのものへの不安が消えた影響は小さくないはずです。

開業から4年近くたっても評価が崩れていないのは、宿としての土台がしっかりしている証拠かなと思います。

現在の宿泊料金の目安と最安の水準

気になる料金ですが、公式に示されている下限ははっきりしています。

1泊2食付きで1名あたり25,000円からというのが、2名1室を利用したときの基本的な目安です。

この金額には税とサービス料が含まれ、夕食と朝食も付いています。

下記の表は、公表されている料金の水準を整理したものです。

プラン 料金の目安 条件
基本の宿泊 25,000円から 2名1室の1名あたり・税サ込・夕朝食付
異国情緒につかる至福の長湯プラン 39,000円から 1日5組限定・公式サイトで5日前まで予約

長湯プランは2026年10月6日から2027年3月31日までの販売で、客室の露天風呂にゆっくりつかる構成です。

卓袱料理から着想を得た会席や、湯に浮かべるステンドグラスプリンといった仕掛けも用意されています。

年末年始やゴールデンウィーク、紅葉のシーズンは価格が一段上がるため、下限の金額だけを見て判断すると差に驚くかもしれません。

料金は時期とプランで動くので、予約の前に公式の販売画面で現在の設定を見ておくと安心です。

九州の星野リゾートを価格の面から比べたい場合は、九州エリアで安く泊まれる施設の比較がまとまっています。

長崎空港と諫早駅からの送迎の実際

界 雲仙には、宿泊者向けの送迎が用意されています。

出発地は長崎空港と諫早駅の2か所で、どちらも宿泊者限定の事前予約制です。

席数には限りがあるため、宿泊の予約と合わせて早めに申し込んでおくのが確実ですよ。

下記の表は、主な移動手段と所要時間をまとめたものです。

出発地・手段 所要時間の目安 備考
諫早駅から送迎 約50分 宿泊者限定・要予約
長崎空港から送迎 約70分 席数に限りあり・早めの予約が安心
車(諫早IC経由) 約60分 長崎自動車道の諫早ICから
博多駅から諫早駅 約90分 特急リレーかもめ経由
長崎駅から諫早駅 約10分 西九州新幹線

西九州新幹線が通ったことで、長崎駅から諫早駅まではごく短時間で結ばれるようになりました。

鉄道で長崎駅まで入り、諫早駅で送迎に乗り継ぐルートが現実的な選択肢になりますね。

雲仙温泉は山あいにあるため、路線バスだと乗り継ぎと待ち時間が読みにくい区間です。

大きな荷物を抱えて移動する人ほど、送迎のありがたみを感じやすいはずです。

運行の時刻や乗車場所は予約時の案内で確定するので、日程を決めた段階で確認しておくと動きやすくなります。

開業後の安全対策と確認できた範囲

事故のあとに何が変わったのか、ここが一番知りたいところだと思います。

率直にお伝えすると、星野リゾートや淺沼組がこの事故を受けて公表した再発防止策の資料は確認できませんでした。

長崎労働局の報道発表にも、この現場に関する個別の公表は見当たりません。

そのため、特別な対策が取られたと断言することも、何もなかったと決めつけることもできない状態です。

一方で、確認できることもいくつかあります。

ひとつは、開業後に界 雲仙の館内で宿泊客が巻き込まれた事故の報道が見当たらないことです。

もうひとつは、周辺の土砂災害リスクに対して長崎県が防災工事を続けていることですね。

八万地獄の周辺はいまも立ち入りが制限されていて、工事の完了は2026年度が見込まれています。

宿そのものの安全というより、温泉街全体の地盤を支える取り組みが進んでいる段階だと捉えるとわかりやすいです。

工事現場の安全管理そのものを掘り下げたい方は、リッツカールトン福岡の建設現場の安全管理を扱った記事が参考になります。

雲仙に泊まる計画そのものに影響する材料は、今のところ見当たらないというのが率直なところです。

総括:星野リゾート雲仙の事故の全体像まとめ

  • 事故は2022年3月29日の午後に建設現場で発生した
  • 場所は界 雲仙の建て替え工事中の敷地だった
  • 営業中の宿泊施設で起きた事故ではない
  • 足場の撤去作業中に約5メートル下へ転落した
  • 被災したのは30代の男性で意識不明の重体だった
  • 原因の調査結果や続報は公表が確認できない
  • 施工は淺沼組で星野リゾートは運営側にあたる
  • 跡地は1915年創業の雲仙富貴屋で2018年に閉館した
  • 2021年8月13日の大雨で3人が犠牲になった
  • 土砂は八万地獄と建設現場の両方へ流れ込んだ
  • 災害を転落事故の原因とする見解は示されていない
  • 界 雲仙は2022年11月25日に予定どおり開業した
  • 客室51室で夕食はあご出汁しゃぶしゃぶが看板
  • じゃらんの総合評価は391件で4.4点と安定している
  • 宿泊するなら諫早駅からの送迎を予約時に申し込む

▶️他の星野リゾートについて知りたい!カテゴリー・記事一覧

error: Content is protected !!